Teens Opinion 2014

総合コメント

2012年の衆院選のとき、ふとした思いつきで始めた Teens Opinion も、今回で3回目となりました。

今回は Twitter と連携させたことで、10代だけでなく様々な方から意見を頂戴することができました。また、政策アンケートに寄せられた10代からの意見は、想像していた以上に多様かつ詳細なものでした。

今回意見を書いてくれた10代の人たちは、大人の方々が想像するよりずっと、日本の未来を本気で考えていると思います。

いま書いている意見が正しいとか、正しくないとかはあまり重要ではなくて、それぞれが日本のことを真剣に考えているということ自体に意味がある。僕たち Teens Opinion のメンバーはそう思っています。

ぜひ大人には、賛成か反対かだけでなく、コメントまで読んでもらいたいです。同じ「賛成」であっても理由は様々であったり、「賛成」を選んだ人も「反対」を選んだ人も実は同じ考えを持っていたり、数字だけではわからないことがたくさん書かれているからです。

そして、大人の方々も、今回意見を書いてくれた10代のみなさんも、もっと自分とは立場が違う人の意見に耳を傾けてほしいです。

世の中には様々な立場の人がいて、それぞれの立場から意見を主張するので、対立が発生するのは避けられないことです。そんな中でできるだけ多くの人が納得できる結論を出していくための手段が「政治」なのだと、僕たちは思っています。

Teens Opinion 代表の吉田拓巳は、2015年6月に20歳になります。もちろん年齢が何かを変えるわけではありません。ただ、選挙権を持たない10代の意見を発信することをコンセプトとする Teens Opinion を続けていく中心は、やはり同じ10代であるべきだとも考えています。次の国政選挙では Teens Opinion の理念や活動を引き継いでくれる新しい世代にも出会えることを願っています。

2014年12月16日 Teens Opinion 運営メンバー一同

擬似投票集計結果

605件の投票から、IPアドレスと投票先政党が同じ79票を削除した526票の集計結果です。

今回の Teens Opinion の擬似投票では、政党助成法の政党要件を満たす9党に加え、「この中に支持したい政党はない」という選択肢を用意しました。これは、積極的に特定の政党を支持しているのかどうかを確認することが目的でした。

結果を見てみると、1位の自由民主党(自民党)は 34.6% の得票率となっており、今回投票した10代のうち約3分の1は積極的に自民党を支持しているようです。

2位は維新の党の 13.5% ですが、「この中に支持したい政党はない」の 15.6% を足したとしても自民党の 34.6% には届きません。

また、自民党の一番の対抗馬となるべき民主党の得票率は極めて低い結果となり、維新の党や日本共産党よりも低くなっています。これは、民主党の支持基盤とされる日本教職員組合(日教組)や日本労働組合総連合会(連合)による組織票が Teens Opinion においてはなかったためとも考えられますが、前回までの Teens Opinion の擬似選挙では、民主党は一定の支持を集めていたことを考えると、それだけが原因とはいえないようです。そもそも従来の民主党への票の多くは、積極的に民主党を支持していたというよりも、反・自民党への有力馬として投じられていたところがあるかと思います。それが今回の総選挙は政策上の明らかな対立点を示せなかったため、票を得られなかったのかもしれません。

また、今回 Teens Opinion が「この中に支持したい政党はない」という選択肢を用意したので、反・自民党票はそちらに流れてしまったということも考えられます。

Teens Opinion の擬似投票と性質的に近い比例区の結果と比較してみると、34.6% という Teens Opinion における自民党の得票率は、実際の選挙の 37.8% と大きな違いはなさそうです。

一方で、Teens Opinion における民主党の得票率 9.5% は民主党の比例区における獲得議席の割合 19.4% よりも約 10% 少ない結果となっています。逆に「維新の党」が Teens Opinion における得票率で 13.5% と民主党を上回る結果となっているのは注目すべきポイントです。ただし、実際の選挙では維新の党は 16.6% を獲得しているので、維新の党の支持率が特に10代から支持されているというより、民主党が支持されていないとみなすべきでしょう。

その他野党について見てみると、公明党のTeens Opinion 上の得票率は 3.2% で、こちらも比例区における獲得議席の割合 14.4% を大きく下回っています。こちらは支持母体である創価学会による組織票の影響がなかったことが考えられます。共産党は、Teens Opinion 上での得票率 10.6 % と比例区における獲得議席の割合 11.1% でほぼ違いはありません。

興味深いことに、Teens Opinion 上で 8.4% の票を獲得した次世代の党は、比例区におけて議席を獲得できませんでした。次世代の党への賛同者は主にいわゆるネット右翼と呼ばれる層であり、今回インターネット経由のみで投票を受け付けた Teens Opinion にアクセスした10代の中の次世代の党支持者の割合が一般有権者よりも高くなったということが理由として考えられます。

政策投票集計結果

349件の投票から、年齢等で明らかに不正だと思われる3件を除外した346件の集計結果です。

※ 年齢計算は12月15日を基準としています(選挙権は投票日翌日が誕生日の人まで与えられるため)。